ロワール地方のワインのドメーヌを訪ねて ブルゲイユ Bourgueil - Château de Minière
今日は、フランス語ツアーガイドのTokioです。
今日は、2月8日に訪問したブルゲイユBourgueilのシャトー・ドゥ・ミニエール Château de Minièreを紹介します。
ブルゲイユはシノンと同様、ロワール河流域のワインの産地で、特にカベルネ・フランの赤ワインで知られていて、是非とも行ってみたいと思っていたところ。午前と午後一か所ずつ訪問の予定にしてたところ、前日の雪で予定が狂ってしまう。
8日の早朝、気温が-6℃まで下がり、路面の凍結が心配されたこともあり、テレビでは車での外出を避けるよう注意を促していた。ホテルから出てみると、ヴィエンヌ川の川辺は靄で霞んで幻想的な風景になっていた。
靄にかすむヴィエンヌ川の岸辺
霧にかすむシノンの町
自転車でのブルゲイユ行をためらっていると、10時半頃、午後訪問を予定していたドメーヌからメールが入る。シノンからブルゲイユに通じる道路は、雪の心配はない、という。メールの差出人はFlorineという人。朝、シノンンからドメーヌまで車で行ったようだ。
メールのお蔭で迷いが吹っ切れた。思い切ってブルゲイユまで自転車で行ってみることにする。せっかくここまで来たので、行けるところまで行ってみよう、ということ。
シノンの中心街にある貸し自転車屋で自転車を借りて、シノンを出発。
シノンとブルゲイユを結ぶ幹線道路、県道749号線に沿って行くだけ。D749の標識に沿って行けばよいので、初めての道でも心配はいりません。
Florineさんからのメールにあったように、車道には雪がなくなっていた。車道を走ってる限り雪の心配はなさそう。
20分ほどで、シノンの町を出る。
そして、さらに20分ほど走ると、シノンの町から見えていた3本の大きな白い煙の正体がはっきりした。原発だった。
原発のすぐ傍を通り過ぎ、そしてさらに行くとロワール河にかかる橋。
らい
''Pêche interdite''の看板。ロワール河では釣りは禁止のようです
シノンから出発して1時間15分程で、なんとか無事にブルゲイユの町にたどり着く。
ブルゲイユは意外と小さな町だった。
町の中心エリアに市庁舎、教会、市場がありその周辺にパン屋などの商店。
自転車で5分も走ると町の中心部を端から端まで通り抜けできてしまう。
Google Mapによると訪問予定の「シャトー」はブルゲイユの中心街からさらに自転車で30分ほど。
町を出ると一面ブルゲイユの葡萄畑が広がる。
途中、どこのドメーヌか知らないが、葡萄畑の真ん中に小屋。そのそばに馬が。
葡萄畑の耕作用の馬に違いない。トラクターではなくて馬で葡萄畑を耕すワイン生産者もいるのは以前テレビで見たことがある。ビオディナミの生産者かもしれない。
1時前に「シャトー」に到着。「シャトー」の看板が道路脇に立ててあるので分かりやすい。観光客も結構やってくるのかも。独立系の生産者はワインを直接消費者にも販売するので、集客のためにeounotourismeと呼ばれているドメーヌやシャトーの見学ツアーを企画している所も多いようです。
独立系のワイン生産者は直接消費者にワインを販売しているので、集客のために、eounotourismeと呼ばれている見学ツアーを企画することろも多いようです。民宿のような宿泊設備も整っているところもあり。
シャトーに着いてブティックに入ると、出迎えてくれたのは若い女性。
メールをくれたFlorineさんだった。
シノンに住んでいて、車で職場のシャトー通まで通っているそうだ。
シャトーを自由に見学して良いらしい。シャトーのマップと説明書を渡されて自由見学。マップには見学の順路も書いてある。見学が終わったらブティックに戻り、ワインのテイスティングということのようだ。
どうやらこの「シャトー」には古い歴史があるようです。
15世紀には農家だったようですが、現在のような「シャトー」になったのは16世紀の頃とか。農家の頃の建物などもまだ大切に残されていました。
15世紀の建物の一部が残るシャトー
何回か所有者が変わったようで、現在はヴァン・デン・ヴェルゲさん一家。ベルギーの方のようです。2010年にシャトーを買い取って、大切に育てているということです。葡萄は、農薬を使わない有機栽培。Vins Biosです。硫黄の使用も最小限とか。
16ヘクタールの葡萄畑の一部がシャトーの敷地にあります。
敷地には大きな木も。
一通りシャトーを見学して、ブティックでテイスティングタイム。
Florineさんの解説でシャトーのワインを一通り味わうことができました。
産地呼称AOCブルゲイユのワインはカベルネフランから造られる赤ワインとロゼワインのみですが、このシャトーでは、ロワール地方の白ワインの品種シュナンから造られた白ワイン、カベルネ・フランのロゼのスパークリングワイン。そして珍しいのは赤ワインのスパークリングワインまでありました。赤のスパークリングワインは初めて。
なによりも驚いたのは樹齢の古い葡萄の木から造られた赤ワイン。
樹齢50年ものと樹齢100年ものがあり、いずれもボルドーの赤ワインのような凝縮感のあるワインでした。Tokioが勝手に描いていたロワール地方の軽くて早飲みの赤ワインのイメージが全く変わってしまうワインでした。
樹齢50年前後の古い葡萄の木から造られた赤ワイン
樹齢100年もの ’Vignes Centenaires' のラベル。
にちなみに樹齢50年もののワインの裏側のラベルはこんな感じです。
フランスで買うと20ユーロ程度。
Château de Minière のワインは日本へも輸出されているようです。
機会があったら是非飲んでみてください。
Château de Minièreのホームページはこちらです。
Bienvenue au Château de Minière
テイスティングで解説をしてくれたFlorineさん、ありがとうございました。
それでは今回はこの辺で。
皆さんも、楽しい旅を。Bon Voyage !!!