Evasion

フランス語とフランスワインをこよなく愛するフランス語ツアーガイドTokioのトラベルメモ

ロワール地方のワインのドメーヌを訪ねて ー シノン Chinon ドメーヌ・ドゥ・ノワレ

 

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今日は、フランス語ツアーガイドのTokioです。

 

2月7日、ジャンヌダルクとフランソワラブレーゆかりの町、シノンChinonにあるワインのドメーヌを訪ねました。Chinonは中世のお城でも有名な町で、ヴィエンヌ川 La Vienne のほとりから眺めるお城は見ごたえあり!

 ちなみにヴィエンヌ川の対岸から見たChinonのお城です。

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訪れたのは、ドメーヌ ・ドゥ ・ノワレDomaine de NoiréというChinonの駅から歩いて30分くらいの所にあるドメーヌ。ネットのVignerons Independants(「独立系ワイン生産者」とでも訳すのでしょうか。ちなみに、「ヴィニュロン・アンデパンダン」と読みます)のホームページで見つけたドメーヌで、駅から比較的近いというのがここを選んだ大きな動機です。

 

前日の午後から降り始めた雪のため、トゥールToursからシノンChinonに向かう電車の外に流れる車窓の風景は雪国の風景かと見間違えるものでしたが、Chinonの駅も雪で真っ白でした。

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シノン駅のホーム


小さな駅から出ると迷わずドメーヌに向かった。歩道には雪が積もったまま。
少し歩くと、歩道もなくなり、雪の積もった路肩のそばを、時たま車が通り過ぎて行く程度。目に入るのは周囲に広がる雪で真っ白に染まった葡萄畑。

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しばらくするとドメーヌの看板が見えてくる。

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門の前でまず出迎えてくれたのはワンコ。吠えながら向かってくる。

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ブティックに案内してくれたワンコ


その後ろから聞こえる男性の声。黒ぶちメガネのちょっと小柄なマンソーMonceauさんにブティックに通される。

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ブティックのある建物。

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マンソーManceauさん

ちなみにドメーヌ・ド・ノワレはマンソーさんが2001年に購入して大切に育ててきたドメーヌのようです。

 

マンソーさんは、一通りChinonのワインの歴史、AOC Chinonchinon銘柄の産地呼称ワイン)のこと、葡萄畑の地層のことなどの話をしてくれた。

 

マンソーさんの16ヘクタールの葡萄畑はヴィエンヌ川を挟んで両岸に広がり、その地層も場所によって、石灰質であったり、粘土質であったり、砂礫だったりするようで、当然、地質の違いはワインの味にも反映されてくる、ということですが...

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マンソーさんの葡萄畑の地層を表す断面図

また、マンソーさんの葡萄の栽培方法は、ビオディナミViodynamieだということです。ビオディナミというと、近代化された農業とはかなり違った方法のようで、農薬を一切使わず、月の満ち欠けに合わせて、あらかじめ決められた方法で葡萄を育てるらしいのですが、硫黄も、瓶詰めの前に少し使用する程度で、醸造の過程では一切使用していないようです。


お話の後は、テイスティング

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白ワイン2種類、ロゼ1種類、赤ワイン3種類。地層の違い、葡萄の木の年齢の違い、収穫年の違いなど、いろいろ解説していただいたが、ワインテイスティングdégustationの習熟度の浅いTokio にはまだ違いが良く分からないのが、とても残念でした。

ボトルの裏側のラベルはその葡萄の品種や葡萄畑の地質、味わいなどの解説付き。テイスティングdégustationの訓練をするには丁度よいかも。

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 ボトルの裏のラベル。ワインの特徴、葡萄の品種、地層、香り、味わいなど情報が記載されている。

珍しいところでは、アンフォーラAmphoraと命名されている白ワイン。これは素焼きの壺で 熟成élevage しているようです。ギリシャ時代を想像させますが、味はというと、違いを表現できないのが残念。

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素焼きのカメで熟成された アンフォーラAmphora。ボトルの形も丸っこい。

ロワールの赤ワインはボルドーなどに比べると比較的軽めで早飲みタイプのワインというイメージが個人的にはありますが、イメージ通りの飲みやすいワインでした。

テイスティングDégustationの後、かつて住居に使われてたという石灰石の洞窟や、醸造タンクのあるCave, 天然の貯蔵蔵などを案内していただいて、一時間の見学タイムが終了。

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かつて住居に使われてたといわれる石灰質の岩盤に掘られた洞穴。ロワール河の流域に多いTuffautチュフォと呼ばれる石灰岩の地層のようです。

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石灰岩でできた天然の熟成・貯蔵庫。奥に見える赤茶色の丸っこい入れ物がアンフォーラAmphoraを熟成する大きな素焼きの壺。オークのワイン樽もあります。

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こちらはステンレス製の醸造タンクCuve de vinification

 

生憎の雪の天気で葡萄畑の散策などができなかったのは残念だったけど、初めてワインのドメーヌを見学できて、しかも生産者の話を直接聞けたのはとても良かった。できれば、ビオディナミなどの話をもっと詳しく聞ければよかったのだけど、Tokioもまだ初めてのことだし、まだあやふやな知識しかないので、次回フランスに来る際の課題にしておきましょう。

来た時に出迎えてくれたワンコが見送ってくれました。

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 マンサーさんには、雪の中、駅まで車で送っていただきました。ありがとうございました。

 

ちなみにマンオーさんのワインは日本でも販売しているようです。

ドメーヌ名は Domaine de Noiré。ラベルは例えば、

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詳しくはこちらのホームページで。

AOC Chinon Domaine de Noiré vins bio, par Odile et Jean-Max Manceau



それではまた、次の旅先で。Bon Voyage !!!