Evasion

フランス語とフランスワインをこよなく愛するフランス語ツアーガイドTokioのトラベルメモ

ロワール地方を訪ねて - ジャンヌ・ダルクゆかりの町シノンのシノン城 Château de Chinon

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今日は、フランス語ツアーガイドのTokioです。

 

今回は、2月7日に訪れたロワール地方のジャンヌ・ダルクとフランソワ・ラブレーにゆかりのある町シノンのお城を少しご紹介します。

ロワール地方は日本でもお城で有名な観光地。この地方はかつて有力な王侯貴族の領地が多く、それだけに王族の居城も多く残っているようです。豪華なシャンボール城、優雅なシュノンソー城などは特に有名なところではないでしょうか。


シノン城もそんなお城のひとつ。
ガイドブックによると、シノンのお城の歴史は古く、5世紀には既に城砦ができていたとか。ロワール河から遠からず、ヴィエンヌ川流域を広く見渡せる高台は防御用の城砦を構える格好の場所だったのかもしれません。

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シノン城の下に広がるシノンの町とヴィエンヌ川

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現在残っているお城の骨格ができたのは11世紀から15世紀にかけてのようです。

シノン城には三つの「城」があるようで、Les Trois Châteaux と呼ばれているようです。高台の東側にあるサン・ジョルジュ城砦 Fort Saint-George と呼ばれている部分と、中心部にある「真ん中の城」Château du Milieu と、西側にあるクドゥレ城砦 Fort du Coudrayと呼ばれている部分。

お城見学の受付は東側の部分にありました。
このエリアには12世紀にイングランド王も兼ねていたヘンリー2世が居城を構えたとか。

ちなみにそのヘンリー2世は、イングランドの国王でもあり、フランスにもノルマンディー地方ボルドーなどがあるアキテーヌ地方、そしてシノンのあるアンジュー地方などの膨大な領地を領有していたようなんですね。

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シノン城の入口。受付は門を入って右側に見える白い建物。

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受付の入口です。

受付で入場料を払い、ガイドブックを受け取って見学開始。
ガイドブックは見学が終わったら受付に戻すことになってます。

受付を出ると、立派な塔と城壁が見えます。搭は「時計の塔」la tour de l'Horlogeと呼ばれているようですが、屋根の部分にある鐘楼に時計があるようで、それが名前の由来らしいです。

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受付のある東側のエリアと「時計の塔」から先にある「真ん中の城」le Château du Milieuのエリアには橋が架かっていて、深い谷間で隔てられてます。

「時計の塔」は「真ん中の城」への入城門ということです。今の形になったのは14世紀のようですが、既に12世紀の終わり頃には門があったようです。

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「時計の塔」とつながる城壁の角にある監視塔が見えてます。
その先にはシノンの葡萄畑。

門をくぐると、「王宮」les logis royaux と中庭が見えてきます。

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左手に見えるのが王宮。右手に僅かに見えるのは「犬の塔」la tour des Chiensとよばれている12世紀の建物。シノン城がアンジュー公の隣人で宿敵のブロワ公に征服されていた時代に築かれたもののようです。

王宮を西側のエリアのクルドゥレ城砦側から見るとこんな感じ。

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「真ん中の城」と西側のクルドゥレ城砦との間にも二つのエリアを隔てる深い谷が見える。

王宮の近くには、お城にまつわる歴史を紹介するパネルが置かれている。

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近くで見ると、こんな具合です。

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シノンの城砦が463年にローマ軍による包囲戦に持ちこたえた、とあります。

Les logis royauxと呼ばれる王宮が今の形になるのは15世紀のシャルル7世の頃。ジャンヌ・ダルクがフランスを救うために会いに来たフランスの国王です。

王宮の中も見学OK。
中はこんな感じです。

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内部の空間にはスクリーンや展示物が置いてあり、スクリーンには当時の様子を再現した映像が流されています。ドキュメンタリー仕立てでじっくる見ると面白いかも。

ちなみにシャルル7世の部屋です。

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王妃マリー・ダンジューの部屋はこんな具合です。

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展示室になってます。冬場は結構寒そうな感じですね。

王宮の見学は一階から入って部屋を二つ見た後、石のらせん階段を上って二階へ行き、シャルル7世の部屋と王妃の部屋を巡ってまた一階に戻り、外に出るという順路です。

王宮の次は、ジャンヌ・ダルクがしばらく居住していたというクドゥレ塔 la tour de Coudrayへ。

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王宮側から石の橋を渡った所にある石造りの塔。

中に入ると、

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中は、やはり結構狭い。人が住むには少し狭すぎるような印象です。
天井の造りは、どこか教会の天井に似てるような気もしますが。

階段を降りてみると。

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鉄格子の扉があり、先へは進めません。
身分の高い教会関係者の牢獄としても使われてたことがあるようですね、やっぱり。
ジャンヌ・ダルクもここでしばらく閉じ込められていたかもしれませんね。

一番上まで登ってみると。

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やはり、眺めは抜群でした。ヴィエンヌ川を背にして眺めると、小高い丘陵一面に葡萄畑が広がってました。

近くには同じような円筒形の塔があと二つありますが、12世紀と13世紀に造られたもののようです。

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クドゥレ塔から見たヴィエンヌ川の眺め。左手に見える円筒型の塔は「風車塔」。12世紀後半に造られたもの。


そうこうしているうちにヴィエンヌ川の彼方が夕陽に染まる時間。
見学時間は夕方5時まで。門は5時で閉まってしまいます。

ということで、簡単でしたがシノン城のご紹介でした。

それでは、皆さんも思い出に残る旅を。Bon Voyage !!!