ロワール地方を訪ねて - ジャンヌ・ダルクゆかりの町シノンChinonの中世の街並み散策
今日は、フランス語ツアーガイドのTokioです。
今回は、2月7日と8日の二日間滞在したロワール地方のシノンChinonの町を少しご紹介します。
シノン周辺のワインのドメーヌを見学するためにシノンを訪れたのは7日の朝。
当日は雪のため、午後見学を予定していたドメーヌからキャンセルの知らせが入り、ポッカリ時間が空いてしまったこともあり、午前中の見学が終わった12時頃から半日、シノンの中心街を散策することに。
シノンChinonの町には以前Toursにいた頃一度立ち寄ったような漠然とした記憶はあるものの、具体的には何も記憶に残ってなく、Tokioにとっては初めての町でした。
駅前のホテルでシノンの町の観光マップをもらって出発。
シノンの中心街は駅から歩いて10分程度。
ちなみにシノンの駅はこちら。
夜には照明が。
駅のすぐ前にはTokioが泊まったホテル、ベル・エポック Belle Epoque
朝の出発が早いときは、やはり駅前のホテルが便利。
歩いて10分程度で中心街の入口にある広場兼駐車場。
ジャンヌ・ダルク広場というようです。
ジャンヌ・ダルク広場 Place de Jeanne d'Arc
木曜日の7時から19時まで市場が開かれる、とパネルに書いてあります。
翌朝通りかかると確かに店が出てました。
翌朝のジャンヌ・ダルク広場。
ただしこの日は前日の雪がまだ残っていて、しかも早朝の気温が-6℃。市場の店舗がまばらなのは、路面凍結注意ありと、テレビのニュースで何度もアナウンスしていたためかも...通常はこんなものではないはずだと勝手に思ってましたが。
ご存じだと思いますが、ジャンヌ・ダルクは15世紀にフランスを救った英雄。
イングランドとフランスの間で王位継承などの問題がらみで14世紀から15世紀にかけて100年以上続いたいわゆる百年戦争。ジャンヌダルクは、1429年、イングランド同盟軍に包囲されていたロワール河沿いの町オルレアンの戦いで窮地に追い込まれていたフランス王軍を勝利に導き、その後のフランス王軍の勝利に大きく貢献した「オルレアンの処女 Pucelle d'Orléan」。
そのジャンヌ・ダルクが実はシノンにも立ち寄っていたということです。
それは1429年。オルレアンの戦いでフランスを勝利に導く前のこと。当時フランスはパリも含めて国土の半分くらいをイングランドとその同盟貴族に支配され、オルレアンの町もイングランド軍に包囲されてされていたので、フランス国王の王位継承権を主張していたシャルル6世の王子、のちのシャルル7世はシノンのお城に拠点を構えていたのです。
フランスを救えという神様の言葉を聞いたジャンヌ・ダルクは、フランスを救うため、国王になる前のシャルルを訪ねてシノンにやって来たようです。ジャンヌがオルレアンの戦いでフランスを勝利に導く前のこと。
ジャンヌ・ダルク広場からヴィエンヌ川沿いに少し歩くと、川岸に今度は別の銅像がみえてくる。
「ガルガンチュア物語」で有名なフランソワ・ラブレーの銅像でした。
ヴィエンヌ川沿いの岸辺に立つフランソワ・ラブレーの銅像
フランソワ・ラブレーは16世紀に活躍したフランスの作家。有名な作品は「ガルガンチュア物語」と「パンタグリュエル物語」。不勉強のTokioは読んだことはないけど、名前くらいは知ってます。シノンの近くで生まれたようです。ということで、町の中心部の目立つところに銅像ということでしょう。
そのすぐ近くの広場にはシノンの市庁舎。フランス国旗とEUの旗が見えます。
中世の建物が残る街並みはそこからすぐ。
その街並みはこんな感じです。
コロンバージュと呼ばれる木骨造りの家。
そして目立つのが白っぽい石造りの建物。
白い石はチュフォーTuffautと呼ばれている石灰石。チュフォーの洞窟は、ワインの天然の熟成庫として利用されることも。軽くて加工しやすいので、ロワール地方ではお城などの建物によく使われていた石材のようです。
建物の合間から見え隠れするのはシノンのお城の搭。
ジャンヌダルクが馬から降りるとき、足を下ろした場所といわれていることろがあります。
この家の軒先に井戸があって、馬から降りようとしたジャンヌがその井戸の淵に足を下ろしたとか。
家の壁に貼られたパネルに説明書きが。ジャンヌが馬から足を下ろしたのは1429年3月6日のようです。
また、ラブレーの家が建っていたという場所。石垣にパネルがあります。
中世の街並みの建物にはこのような歴史を物語るパネルがあちこちに貼られてました。
お城は中世の街並みのすぐそばの高台の上にあり、ジャンヌダルクの井戸の家の前の坂道を登っていけば5分とかかならい。
ジャンヌ・ダルク通りと呼ばれているこの坂道はからお城はもう直ぐそこ。
お城はまたこの次にして、中世の街並みの細い石畳の道を少し進むと、お城のある高台の岩肌に洞窟の天然ワインセラー。
チュフォーの岩盤をくりぬいてつくられたワインセラー。
観光客向けに営業しているようですが、当日は休日でした。
中世の街並みの細い石畳の道はものの15分もあれば端から端まで通り抜けられる。
ここまで来るともうヴィエンヌ川が見えてくる。
ホテルで教えてもらったシノン城の写真スポットはヴィエンヌ川の対岸にある。
ラブレーの銅像のそばにかかっている橋「Pont de Chinon」を渡って対岸へ。
確かにそこはシノン城とシノンの中心街が一望できる絶好の場所。
シャルル7世と王妃が住んでいたという黒い屋根の館。
その右側に見える円筒形の搭はジャンヌダルクが、沙汰の出るまでしばらくいたというクドゥレ搭 le donjon de Coudrayも見えます。
シノンの街が王冠をかぶっているような感じ。
当日は対岸の河原に雪がたくさん残っていて、誰かが作った雪だるまが。
フランス人の作る雪だるまには耳があった。
ということで、中心街だけ散策すると2時間くらいで周れてしまうシノンの町でした。
ちなみにシノンのMAPはこちら。
それでは、皆様も良い旅を。Bon Voyage !!!